Interview: Hiroshi Utsumi, Makoto Osaki, Motoshi Takabe (2015-05-28) by Famitsu.com

From Sega Retro

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This is an unaltered copy of an interview of Hiroshi Utsumi, Makoto Osaki, Motoshi Takabe, for use as a primary source on Sega Retro. Please do not edit the contents below.
Language: Japanese
Original source: Famitsu.com

Recorded after an event in Sega Akihabara 3-Goukan, promoting the release of Hatsune Miku: Project Mirai DX. Famitsu.com interview the development team: Hiroshi Utsumi, general producer of the SEGA feat. HATSUNE MIKU Project, Makoto Osaki, this game's producer, and Motoshi Takabe, the game's director, about its development.


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――発売日を迎えての、いまのお気持ちを教えてください。

内海 本日無事に発売日を迎えることができまして、ユーザーの皆様、販売店の皆様、メディアの皆様、関係者の皆様に、心からお礼を申し上げます。どうもありがとうございます。もともと海外版の企画として始まった『でらっくす』ですが、本当にユーザーの皆様からのご要望が多くて、日本でも発売することができて、感慨深いです。

大崎 いま内海が申し上げた通り、最初は(海外用の)ローカライズの企画だったんです。ローカライズの企画が出るという時点で、海外のファンが欲しいと言ってくださったということなので、とてもありがたいのですが、国内でも発売できることになりました。ふつうならローカライズして終わり、となるところですが、海外ではニンテンドー2DSのユーザーが多いということで、“立体視で見られないならば、オリジナルPVをもとにしたPVは、ねんどろいどPVに変えよう”ということになりまして。気がついたら、チームがいろいろやってて、「そこまでやりますか!?」みたいな仕様もあって(笑)。こんなにも、現場の裁量でまとめあげた楽しげなソフトってなかなかないので、プロジェクトとしてもよかったな、と。それが皆さんにも伝わればうれしいです。

高部 まずはやっぱり、「ようやく出たなぁ、よかった~」というのが素直な気持ちです。というのも、国内のユーザー様から見ると、新しい曲は1曲だけなので、変わった部分がそんなに見えないと思いますが、開発の立場からすると、「もうこれを作り上げたらいつ死んでもいい」というくらいの気持ちで、魂込めて作ったつもりなのです。そこにかけた時間と労力が目に見える形で実を結んだということを、たいへんうれしく思っています。

内海 これは初めてお話しすることですが、『Project mirai』シリーズは、この『でらっくす』でいったんお休みということになります。今後『mirai』のチームは、新しい企画を考えるべく、準備に入ることになります。新企画を発表できる段階になったら、そのときはまたよろしくお願いします。プロジェクトが始まってから、もう4年半から5年ほど経ちますが、長く応援していただいて、本当にありがとうございました。

――『でらっくす』になってパワーアップした部分を、あえてひとつ挙げるとしたら、どんなところですか?

内海 プロデュース側としては、今回はほぼ現場の判断に任せていまして、ロムを遊んでみたら「こんなの入ってたの!?」と驚きの連続で。文字にできない驚き感と言いますか、おもちゃ箱みたいにいろいろなものが入ってるバラエティ感、そこが“でらっくす”じゃないかと思います。

大崎 いろいろあるんですが、特筆すべきは、PVが変わったので譜面も変わったというところですね。譜面はPVの雰囲気、絵の雰囲気に合わせて作られているので。『2』を経てブラッシュアップされているので、(譜面を)見てても楽しい。「譜面班が遊んでいるなあ」と感じたので、そのあたりは進化していると思います。それから、一部の曲には“超トコトン”という難易度も入っています。『mirai』の難しさって、連打の難しさというよりも、頭のパズルのような難しさなので、遊んでいると気持ちいいですよ。そのあたりも“でらっくす”になったと思います。

高部 2点お話ししてもいいですか? 1点は、PV。新規で作ったPVですね。皆さんがずーっと見続けてきたオリジナルPVから方向転換するのではなくて、原作の雰囲気をリスペクトしながら、こだわりを持って作ったので、楽しんでいただけると思います。おきがえさせたキャラクターを、その新しいPVの中に登場させることもできますから、そういう意味でもボリュームが増えて“でらっくす”になったかなと。もうひとつは、キャラクターと対戦できる“ミックリバーシ”。本当に窓の向こうにキャラクターがいて、腕を伸ばして盤面に打ってきているというイメージにこだわって、カメラアングルなども調整しましたので、活き活きとした対戦を楽しめると思います。こんなゴージャスなミニゲームを追加しちゃっていいのかな? というところが“でらっくす”かな、と。

――先ほど内海さんがおっしゃっていた、“新しい企画”について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

内海 『mirai』で新しくセガのゲームに触れてくださった方、たとえば低年齢層の女の子に向けた、新しい何かを考えていきたいな、と。それがボーカロイドが関係するコンテンツになったり、もしくは他のコンテンツになったりするかもしれませんが、いまのところは決まっていなくて。これからいろいろなアイデアを整理していくつもりです。

大崎 ご存じだと思いますが、僕らは男くさい『バーチャファイター』を作ってきたスタッフなんです。でも『Project DIVA Arcade』や『mirai』は女の子が遊んでくださっていて。『mirai』は年齢層も低いですしね。そういう層の方が遊ぶゲームを作ってきて、見えてきたことがあるんです。その経験が活きればな、と。あと……高部くん、いま娘は何歳だっけ。

高部 小学2年生。

大崎 そう、開発者の子どもがそのぐらいの歳になってきたんですよ。スタッフの平均年齢が上がって(笑)。

内海 発想の変化がありますよね。

大崎 独身だったころにはわからなかったことがね。それがどうつながるかはわからないのですが。

高部 ここまで話すと、女児向けのコンテンツを作り出しそうな感じがしますが、まだわからないですよ(笑)。

大崎 視野が広がったということです。

高部 僕らもこういう(女の子が遊ぶ)ゲームを作っていいんだ! と。

――しばらくしてからの新企画の発表を楽しみにしています。では、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

高部 (シリーズ作を)初めて買ってくださった方、ありがとうございます。1作目からずっと支えてくださった方には、本当に足を向けて寝られません。このプロジェクトに関しては、一方通行で何かものを作って渡すのではなくて、つねに対話しながら作ってきたと感じています。誰かが作ったというより、みんなで作ったという言葉がふさわしいタイトルだと思います。すべてを出し切った集大成のタイトルですので、つねにバッグの中に入れていただいて、いろんなところにミクさんたちを連れていってください。それから、『でらっくす』ではMiiverseに写真を送れるようになりましたので、写真を撮影する楽しみが増えたかなと思います。末永く愛していただけたらうれしいです。

大崎 2010年くらいから「ニンテンドー3DSで何か作ろう」と企画が始まって。キャラクターも試行錯誤して、結果的にねんどろいどのデザインになったのですが、高部が申し上げた通り、1作目から支えてくださったファンの皆さんあってこそのシリーズです。支持がなければ続きも出ませんので。『2』が出たのもご支持をいただけたからで、本当にありがたいと思っています。『2』以降はほぼ現場任せで作ってきましたが、現場任せでうまくいくって、こんなにすばらしいことはないですよ! プロジェクトとしても本当によかったと思います。いったんシリーズはお休みになりますので、『でらっくす』を買っていただいて、末永くご愛顧いただければなと思います。

内海 プロジェクトを立ち上げてから、いろんな話し合いをしましたし、ガチで言い争うこともありました。そういう時間をたくさん取れてよかったな、と思っています。完成度は非常に高い製品になりました。当然、皆さんが不満を感じる点はあると思うのですが、我々にできるかぎりで本当にがんばりましたので、ぜひ遊んでください。新しく初音ミクのファンになった方にも薦めて、仲間を増やしていただけたらうれしいです。『Project mirai』シリーズは、発売から1年後のクリスマスにも受注が伸びるほどで、本当に末永く愛していただける商品になっていると思うので、引き続きよろしくお願いいたします。